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ネイティブアドと記事広告って何が違うの?

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ネイティブアドの説明をしていると、この質問をよくいただきます。実際には記事広告と同じくコンテンツセントリックな広告形態ではありますが、その機能は、現在における、オーディエンスの情報取得に即した形で工夫された、いくつかの大きな特徴があります。

昨年11月にシカゴのネイティブアドサミットに参加した際、まだアメリカでもしっかりとネイティブアドとは何かという定義が明文化されていなかったのですが、そのサミットは以下の言葉でくくられた前提で開催されました。

Native advertising where the ad experience follows the natural form and function of the user experience in which it is placed.

ネイティブアドとは、ユーザーがいつも使っているメディアもしくはサービスの中で、自然になじむデザインや、機能で表示されるペイドメディアの一種。

 

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IPG Media Lab and Sharethrough

ネイティブアドを提供する側は大きく分けて、Forbes, Gawker media, Washington Post, Huffington Post, Buzzfeedなどに代表されるメディア企業とTumblr, Facebook, Twitter, YouTube, Facebookなどのサービス・プラットフォームに二分されます。

前者のメディア企業各社は、ブランデッドコンテンツをつくるチームを編成し、そのメディアのコンテンツとの親和性、もしくはジャーナリズムにおける記事掲載のあり方を重要視しているのに対し、後者はブランド側が自由に利用できるプログラマティックな仕組みを重視していることで、ネイティブアドを利用する場合の意味合いも上記2つだと大きく違うのではないかと思います。

インフォバーンとメディアジーンにおけるネイティブアドの取り組みも前者のメディア企業としての取り組みとなります。

いずれにしても両者とも、そのメディアもしくはサービスに興味関心を持っている人が自然に見る広告として効果があるものとしてネイティブアドを提供しています。

昨年12月4日にアメリカの広告の業界標準化を推し進めるIAB(Interactive Advertising Bureau)が、混乱するネイティブアドの定義を発表しました。それにメディアジーンメディアのスポンサードポストを例にとってご説明したいと思います。

この定義のなかでは、ネイティブアドの種類は6つに分けられています。そのなかでメディアジーンのスポンサードポストはIn-Feed Adsに相当します。種類とは別に以下の5つの規準が記載されています。これらは、もっともバリエーションの多いものとなりますが、すべてを満たしている例として、メディアジーンのメディアがライセンス提携しているGawker Mediaや、Buzzfeed, Forbes, Mashableなどがあげられます。メディアジーンのメディアも同様にこの条件のすべてを満たしています。

 

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■FORM アドの掲載される形態がメディア本体の記事と同じデザインとなっているか?通常のストリーム上に表示されているかどうか?

メディアジーンのスポンサードアドは、記事と同様のデザインで通常記事と同じようにポストされています。トップのストリームに一定期間掲載され、その後はアーカイブされていきます。

FUNCTION ネイティブアドが設置されるページの機能が、そのメディアの他の機能と同様であるか?例えば、動画なら動画、記事なら記事と同様か?

上記のとおり、通常記事と同様に扱われます。また、シェアボタンなどの機能もついており、たくさん見られた場合、シェアされた場合にはそれぞれのランキングにも同様に表示されます。

INTEGRATION ネイティブアドのユニットは周りのコンテンツと同じように表示されるか?

トップのストリームラインに表示されるのみでなく、その後は通常記事と同様にアーカイブされタグやカテゴリーによって表示されます。また、関連記事にも同様に表示され、興味関心を同じくするオーディエンスにはより多く見られる機会を設けています。

BUYING & TARGETING ネイティブアドはメディア全体に渡って掲載されるのではなく、ある特定のページ、セクションに表示する事が可能か?

上記のとおり、タグやカテゴリーの表示はもちろんですが、オーディエンスデータを使って、同じ興味関心を持った人に多く表示する事なども可能です。関連記事表示も現在はタグやキーワードにより選択された記事が表示されていますが、4月からオーディエンスデータに基づいた自動表示に切り替わります。

また、メディアジーンのメディアでは、ネイティブアドにオーディエンスデータを組み合わせて外部バナーを購入し、さらに興味ある人にコンテンツを届けることも可能です。(外部メディアのネイティブアドとの組み合わせも現在開発中です)

MEASUREMENT 解析はどのような形で行われているか? どれだけクリックされたかやコンバージョンではなく、エンゲージメントという観点で計測されているか。例えば、どれだけ見られて、シェアされて、どれくらいの時間見られているかなど。

メディアジーンでは、解析結果のレポーティングに非常に力を入れています。単純にPV、UUのみならず、ソーシャルのシェア数、滞在時間、その後の情報の拡散の状況のレポーティングが可能です。また、さらにはアトリビューションとの組み合わせや、オーディエンスデータと既存パネルを使ったネットアンケート調査で、オーディエンスの態度変容を測ることも可能です。

DISCLOSURE 広告であるということが明記され、ユーザーに十分に伝わるかどうか。

メディアジーンのメディアでは、記事とネイティブアドかの違いはPRという表示にて明確にされています。昨今でもメディアがノンクレジットの記事を書くということもあるようですが、それは読者に対して不誠実であることはもちろん、それによりブランドのネット上の評判を落とす可能性が高いので、メディアジーンではメディアポリシーとして行っていません。いわゆるステマとは一線を画すものです。

ネイティブアドという枠組みに当てはめてみると上記のような内容にまとまりますが、メディアが持つオーディエンスという資産、コンテンツの信頼性、そしてテクノロジーの進化を考えると、この枠には限らない多くの可能性があると感じています。

そして、定義自体は上記のものになりますが、重要なのは定義そのものではなく、ブランドのストーリーをオーディエンスに届けるということ。それが効果的に行われて結果がでるのかどうかということです。

どういったコンテンツを掲載して誰にどのように届けるのかということが、ネイティブアドではもっとも重要なポイントだと考えています。

インフォバーンは創業以来ずっとコンテンツセントリックなデジタルコミュニケーションを提供してきました。ここにきて、インフォバーンのブランデッドコンテンツ、メディアジーンのネイティブアドの組み合わせで、より効果の高いコンテンツマーケティングを提供できるものと考えています。

 

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今田素子

同志社中学、同志社高校卒業。1989年、同志社大学経済学部卒業。1991年、イギリスの Sotheby’s にて History of Art course 修了。同年、株式会社同朋舎出版に入社。海外版書籍、雑誌の編集を行う。1994年、雑誌『ワイアード』日本版のビジネス・マネージャーを務める。1998年、インフォバーン設立。代表取締役に就任。2008年、メディアジーン設立。代表取締役に就任、現在に至る。